投資会社ヴァン・エックのジャン・ヴァン・エックCEOは、イーサリアム現物ETFについて、5月承認の可能性は低いと述べました。
一方、JPモルガンは承認確率を50%以下と示しています。
2024年4月12日時点で申請中のイーサリアム現物ETFのうち、多くが5月23日までに承認判断を受けると予想されていますが、悲観的な見方もある状況です。
SECはイーサリアム現物ETFのパブリックコメントを募集しており、承認の可能性もうかがえます。
イーサリアム現物ETFに対する専門家の見解や、近況を述べました。
要点
目次
ヴァン・エックCEOがイーサリアム現物ETFへの懸念を表明
コインテレグラフがまとめた情報によると投資会社ヴァン・エックのジャン・ヴァン・エックCEOは、9日のCNBCのインタビューで、イーサリアム現物ETF申請が却下されるだろうとの見解を示しました。
ヴァン・エックCEO自身も、同社でイーサリアムETFの申請を済ませており、最終決定は5月23日に行われる見通しです。
しかしヴァン・エックCEO自身は、結果予測について悲観的な見方を述べました。
ヴァン・エックCEOはイーサリアム現物ETFについて、規制当局からの音沙汰がないと主張しています。
そのため、承認への積極的動向が見られないと考えているのでしょう。
米国における仮想通貨現物ETFの承認判断は、SEC(証券取引委員会)が担います。
しかしSECの目立った動きがないため、申請会社のモチベーションに影響を与えているようです。
仮想通貨業界の関係者によっては、イーサリアム現物ETFの5月承認に対し、却下を懸念しています。
JPモルガンの分析でもイーサリアム現物ETF承認確率は50%か
Decryptによると、米金融大手のJPモルガンが、イーサリアム現物ETFの承認確率を50%以下と明かしました。
背景として、SECによる企業調査が挙げられます。
SECはイーサリアム財団の関連企業に対し、承認に向けて調査中とされます。
情報収集の結果、イーサリアム現物ETFを承認すべきかわかるのでしょう。
しかし収集情報をネガティブにとらえることで、SECがイーサリアム現物ETFの上場を却下するかもしれません。
SECは2022年9月から、イーサリアムおよび関連企業への調査を始めたと見られます。
この時期はアップグレード「The Merge」が完了し、コンセンサスアルゴリズムが現行のPoS(プルーフ・オブ・ステークス)に替わりました。
SECに対しては、イーサリアムの有価証券認定を目指しているとの指摘も見られます。
しかしTHE BLOCKによるとJPモルガンは、有価証券認定の可能性が低くなったと考える状況です。
SECは一部仮想通貨を有価証券とみなす動きがあるため、関連ETFの承認にも慎重と見られます。
JPモルガンによると、イーサリアムは有価証券とみなされず、関連ETF承認にも一定の可能性があるようです。
一方確率は50%以下としており、承認却下への想定もうかがえます。
SECはイーサリアム現物ETFのパブリックコメントを募集
CoinpostによるとSECは、イーサリアム現物ETFのパブリックコメント募集を始めました。
審査段階が終盤を迎えたととらえられるものの、5月の最終判断まで間に合わない可能性も指摘されています。
パブリックコメントの期間は3週間でグレースケール、フィデリティ、ビットワイズの3社からの申請商品が対象です。
またSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、ビットコインETFの承認が、他銘柄のETFの審査に影響しないと述べています。
いずれにしてもパブリックコメントの内容は、イーサリアム現物ETFの命運をにぎりそうです。
まとめ
イーサリアム現物ETFが5月に承認される可能性について、さまざまな指摘が見られます。
ヴァン・エックCEOやJPモルガンのように、承認拒否の可能性を考える方もいます。
SECはイーサリアム現物ETFについて、パブリックコメント募集を始めており、承認に向けて動き出した模様です。
本記事投稿時点で申請中のイーサリアム現物ETFの多くは、5月23日までに最終的な承認判断を下される可能性があります。
SECは今後、いかなる判断を行うのでしょうか。