米FRB(連邦準備理事会)の7日講演で、ラエル・ブレイナード副議長が利上げ継続の必要性を語りました。
アメリカにおいて、利上げ機運がしばらく続きそうです。
以上から今後も、仮想通貨市場の大きな揺らぎに気をつけましょう。
ブレイナード副議長の発言を踏まえ、利上げ機運の仮想通貨への影響をまとめました。
要点
米FRBブレイナード副議長が利上げ継続の必要性を語る
米FRBの7日講演でブレイナード副議長は、利上げ継続の必要性を語っています。
とくに注目を受けている発言が以下です。
出典:Board of Governors of the Federal Reserve System “Bringing Inflation Down”
訳:連邦準備制度としては、インフレ懸念の考えを変えず、引き続きインフレ率を2%に戻すため行動を起こします。
上記から察するように、アメリカではインフレ率目標が2%で、そこに到達するまでは何度でも利上げを繰り返す見通しのようです。
インフレ率が高い状況は、物価水準の上昇状態を示します。
それを知るうえで重要なのが消費者物価指数です。
出典:Investing.com「米国 消費者物価指数 (前年比)」
上の画像のように、米国では2021年半ばから物価指数が上がり続けています。
2022年7月発表時には、2020年からのコロナ禍以来最大の9.1%になりました。
物価が上がり続けると消費者や企業の活動に悪影響です。
以上から国としての政治的判断が必要なのでしょう。
ブレイナード副議長の講演について、Twitterには以下の口コミが寄せられています。
米では今後もインフレ対策を継続か
米ではFRBを中心に、インフレ対策の機運が続いています。
Coinpost報道によると26日のジャクソンホール会議でも、ジェローム・パウエル議長が利上げ継続の意思を示しました。
9月20日~21日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催予定です。
そこでも利上げ決定が予測されます。
次回のFOMC前後でも、仮想通貨市場に波乱があるかもしれません。
アメリカでは2020年から続いたゼロ金利政策を、2022年3月に解除しました。
それまでゼロ金利政策が続いていたのは、新型コロナウイルスによる経済活動停滞を受けてのものです。
ちなみにコロナ禍直前では、2018年12月に米の政策金利が2.5%になり、2019年6月まで続きました。
コロナ禍が一段落しつつある現在は、2018~19年あたりの政策金利に戻そうとしている印象もあります。
しかし現在のインフレ懸念の強さでは、それどころではなさそうです。
アメリカでは経済活動がほぼ正常化しました。
しかしこれにウクライナ情勢が絡み、物価の過剰な上昇が懸念されています。
その結果として利上げが相次いでいるのでしょう。
以上からアメリカの利上げ機運は、しばらく続きそうです。
米の利上げ継続は仮想通貨市場をどう変えるか
米の利上げ継続は、仮想通貨市場に一定の影響を与えそうです。
基本的に金利の上昇は経済活動の機運を弱めるとされます。
短期的には仮想通貨だけでなく、株式の相場下落にもつながるでしょう。
しかし利上げが長期化すると、そのリスクは織り込み済みであるとして、あまり市場に影響を与えなくなるかもしれません。
たとえば利上げ継続期間中にある程度まで相場が下がったとします。
そこで値下げ時を狙い、押し目買いに出る投資家が現れるのです。
押し目買いの集中によって、長期的には仮想通貨が高値になるかもしれません。
いずれにしても今後の仮想通貨市場は、FOMCやFRBなどが関わる経済的イベントに注目です。
その前後の時期における投資家心理の変化に注意しましょう。
まとめ
FRBのラエル・ブレイナード理事長が、講演で利上げに積極的なスタンスを強調しました。
インフレ率を2%まで押さえ込むのが目標とされています。
最近のアメリカの消費者物価指数は8~9%を推移しているため、しばらく利上げが続くかもしれません。
しかし利上げの長期化により、リスクを織り込んだ買い注文が集中する可能性もあります。
この結果として、仮想通貨の高値取引が見られるかもしれません。
いずれにしても今後は、アメリカの経済ニュースが投資家心理に与える影響に気をつけましょう。