30日、リップル社がアイスランドを拠点とする仮想通貨取引事業である「アルグリム」の買収を発表しました。
これを機に、リップルはアイスランドへの拠点拡大も発表しています。
今回の買収内容の詳細とリップルの狙い、これまでリップルが行ってきた主な事業拡大を解説します。
要点
アイスランドに新たな拠点を設け、事業拡大を狙うリップル。その狙いや背景を考察します。
目次
リップルがアイスランドの仮想通貨事業買収、拠点拡大の狙いは
30日にリップル社はアイスランドで仮想通貨取引事業を展開する「アルグリム」という企業買収を発表しました。
アルグリム社はリップルを構成するシステムのひとつであるODL(オン・デマンド・リクイディティ)開発に関わっています。これがリップルによる安い手数料かつ短時間で完結させる二国間送金に重要な要素となります。
リップル社は元々アメリカを拠点に活動していましたが、今回の買収でアイスランドにも新たな拠点を設けると発表しています。
リップルの構成要素を知り尽くした企業と同じ国に新しく拠点を作ることで、送金システム開発をめぐるコミュニケーションを円滑にする狙いが考えられます。
これによりリップル独自の送金システムやネットワーク発展の準備がしやすくなり、世界的な理解度を一日でも早く高められることが望まれます。
リップル社は自社肝いりプロジェクトである高速送金システムの発展のため、アルグリムのような企業との提携が不可欠と感じたのでしょう。
これまでの主なリップルの事業拡大を振り返る
今回アイスランドに新拠点を作ると発表したリップル社は、最近も様々な企業と提携するなど事業拡大を展開しています。特筆すべきものをまとめます。
リアルタイム決済ネットワーク企業「ロゴス」買収
9月28日、リップル社の投資部門であるxPringが「ロゴスネットワーク」の買収を発表しました。
ロゴスネットワークはリアルタイム決済プラットフォーム「ロゴス」の開発会社です。こちらの買収劇はリップル社によるオリジナル金融商品開発プログラムが背景にあると考えられます。
リップル社は現在、Bakktがビットコインで行っているような先物取引、仮想通貨ローン、リップル版デリバティブと呼ばれる関連金融商品などの開発に尽力しているとCoindeskなどに報じられています。
UAEの国立銀行がRippleNet加入へ
UAE(アラブ首長国連邦)のフジャイラ国立銀行が、リップル独自の国際送金ネットワーク「RippleNet」に加入を発表しました。海外送金事業活性化のためにリップルの年内導入を目指しているとのことです。
リップルの送金システムはローコストかつ高速で取引できる特徴があり、その魅力にフジャイラ国立銀行が注目したのでしょう。
9月9日に地元ビジネス誌「Entrepreneur Middle East」で報じられ、以下のツイートにまとめられています。ツイート内の「NBF」が「National Bank of Fujairah」、つまりフジャイラ国立銀行を指しています。
https://twitter.com/stuart_xrp/status/1176158795002761216?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1176158795002761216&ref_url=https%3A%2F%2Fcrypto.watch.impress.co.jp%2Fdocs%2Fnews%2F1208616.html
世界的送金会社マネーグラムとの資本契約
6月17日にリップル社は、世界的に有名な送金ネットワークシステムを展開するマネーグラムとの提携を発表しています。
この前の2018年1月からマネーグラムはリップル社が展開する国際送金システム「xRapid」活用を表明しましたが、このタイミングで本格的な提携開始となりました。
マネーグラムも200以上の国を対象に銀行口座やモバイルウォレットを使った高速送金システムを展開しており、xRapid利用でさらなる高速化が望まれます。
送金システムの世界的な高速化を狙うリップル社の本気度がうかがわれるニュースとして、今も覚えている人は多いでしょう。
まとめ
リップルは9月30日にアイスランド進出を発表し、同国の仮想通貨トレーディング企業買収を発表しました。
これにより、仮想通貨としてのリップルだけでなく、同社肝いりの送金ビジネス発展のためコミュニケーションしやすい環境を構築していくでしょう。
リップル社はこれまでもマネーグラムをはじめ、様々な企業と提携を発表しています。先日はリップル版の金融商品開発着手も報じられ、本サイトでも詳細内容を紹介しています。
今後もリップル社は世界をまたにかけて積極的に活動していくとみられ、その動向が注目されます。