7日、タイ大手のサイアム商業銀行が、リップル社との提携で開発した国際送金アプリ「SCB Easy」を発表しました。
このシステムはタイ国内だけでなく東南アジアを中心に多くの国での使用を目指しているとのことです。
サイアム銀行について解説しつつ、今回の発表の詳細を解説します。
要点
タイ最古の銀行であるサイアム商業銀行がリップル社との提携で国際送金アプリ「SCB Easy」を発表しました。サイアム商業銀行の概要や発表内容の詳細を解説します。
サイアム銀行とは?
今回リップル社との提携で国際送金システムを発表したサイアム商業銀行は、タイ初の銀行として100年以上の歴史を誇ります。
1907年1月30日にタイ王室により設立を受け、現在は国内で3番目の規模をもつなど活躍しています。
株主にはタイ王室財産管理局などが存在し、現地では「王室系銀行」として認知を受けているようです。
金融に関する幅広いサービスを展開しており、その内容にはクレジットカードや国際送金、住宅ローンといった基本的な要素から、ATM専用カード、自動車購入金額の分割払いなど独自のサービスまで行なっています。
かねてからリップル社とは国際送金システムの構築をめぐって協力関係にあり、今回の発表で関係性が大きく進んだと考えられます。
リップル社との関係性から仮想通貨分野への進出という期待も受けていたようですが、2019年6月7日のツイートでは「現時点でXRPを使用する計画はありません」と否定していました。
We are so sorry for the previous information of the previous post. As of now we have no plan on using XRP.
— SCB Thailand (@scb_thailand) June 7, 2019
今回の発表を機にサイアム商業銀行は仮想通貨分野に興味を示すのでしょうか?
SCB Easyとは?
今回発表を受けた「SCB Easy」は、サイアム商業銀行がリップル社との提携で開発している送金アプリです。
アプリ使用により、手数料などのコストを安く抑えながらスムーズな国際送金を実現できます。
これはタイ国内からの国際送金が従来よりもスムーズになり、お金の流れも速くなれば国内の経済成長にもつながる可能性を意味します。
デモ版がSWELLで公開、40秒で送金完了
8日にリップル社が公式ブログで公開した記事では、デモ版ながらアプリ性能への言及があります。
2019年11月7~8日開催のリップル社主催カンファレンス「SWELL」では、サイアム商業銀行の上級副社長であるアーティット・シーウムポーンが登壇し、SCB Easyのデモ版のプレゼンテーションを行いました。
デモ版では銀行口座への送金から振り込み完了まで40秒以内で済んだそうです。
リップル社が開発する送金システムの強みである流れの速さと手数料の安さは、タイの金融事情を大きく変える可能性があります。
タイだけでなく東南アジア諸国にSCB Easyが浸透する?
サイアム商業銀行の発表では2020年にカンボジア、ベトナム、ミャンマーなど東南アジア各国へSCB Easyの進出を目指すそうです。
タイに限らず新興国を中心に、SCB Easyの送金システムを使って世界経済の活性化を狙っているのでしょう。
シーウムポーン氏は今回の新アプリ発表により、以下のコメントを残しています。
我々のサービスで、海外の愛すべきユーザーたちがすぐにお金を送り、また受け取れるようになれる。
SCB Easyにより、新興国の人々を中心に送金がスムーズにできるようになれば、世界経済への好影響にも期待がかかるでしょう。
まとめ
タイ最後の銀行であるサイアム商業銀行は7日、リップル社との提携で開発した国際送金アプリ「SCB Easy」を発表しました。
このアプリにより安い手数料での高速国際送金が可能となり、世界経済への貢献が期待できます。
仮想通貨としても送金システムとしても人気のリップル社の勢いは、近年の経済成長で要注目であるタイなどの東南アジアにも及んでいます。
リップル社とサイアム商業銀行による今後の関係性の発展にも注目しましょう。