仮想通貨取引プラットフォームであるVoyager Digitalが、7月5日に破産申請を出しました。
米連邦破産法11条に基づいており「チャプターイレブン」とも呼ばれています。
Voyager Digitalは6月にThree Arrows Capitalへ債務不履行を通知したことでも話題でした。
3AC問題を受けた破産の連鎖は、仮想通貨業界に波紋を呼びそうです。
Voyager Digitalに起きたことをまとめます。
要点
Voyager Digitalの破産申請について
Voyager Digitalは7月5日に米で破産申請を出しました。
以下のように報じられています。
訳:さらなる仮想通貨ビジネス倒産:Voyager Digital Holdings, Inc.がニューヨーク南部地区にて今夜チャプターイレブンによる破産保護の手続きをした。
Voyager DigitalはThree Arrows Capitalへの債務不履行通知を公表していました。
巨額の貸与資産を回収できなかったことが、今回の破産につながったのでしょう。
いずれにしても今回の破産申請は、仮想通貨業界の恐慌を裏づけそうです。
Voyager Digitalの破産申請に、以下の口コミが集まっています。
破産申請前日のVoyager Digital
Voyager Digitalは破産申請前から、経営状況に関して積極的な情報開示をしていました。
たとえば7月4日のTwitterでは3つに分け、以下の説明をしています。
訳:Voyagerより 顧客の皆様と同様、我々に非難されるべきことはありません。一刻も早くすべての顧客のために資産を守り、市場価格の最大化に努めようと我々が専念していることをご理解ください(1/3)
訳:我々は現在、プラットフォーム上に約13億ドル分の資産を持っており、加えてThree Arrows Capitalには6億5000万ドル以上の請求を行っております。メトロポリタン商業銀行にも3億5000万円の現金が口座にあります。(2/3)
訳:我々は長期にわたり顧客の皆さまに最高のサービスを与えるため、全力を尽くしています。そのとおりにするため、一連の代替方法の追及も積極的にしています。わかり次第続報をお伝えします。
このようにVoyager Digitalは経営危機を乗り越えるため、最善を尽くしていたことがわかるでしょう。
しかし結果は実らず、5日に破産申請を出すことになりました。
今後も仮想通貨ビジネスの破綻ドミノに要注意
Voyager Digitalの破産申請は、かねてから問題になっているThree Arrows Capitalの騒動が深刻であることを物語っています。
Voyagerも6月に、3ACから債務不履行を受けたことを公表していました。
3ACは破産前、複数企業から巨額を借りて運用していたため、今後も大きな影響がありそうです。
たとえばCoinpostによると、3ACは仮想通貨を担保に、BlockFi、Celsius、Nexoなどから巨額資金を借りていました。
しかし仮想通貨の相次ぐ暴落により担保額も下がったため、3ACの経営に対する影響は大きかったでしょう。
同社にお金を貸した企業にも実害があったと思われます。
仮想通貨による資産運用リスクが表面化したいま、今後もほかの企業が経営破綻に追い込まれてもおかしくありません。
まとめ
Three Arrows Capitalに続き、Voyager Digitalが破産申請を出してしまいました。
Voyagerは3ACから債務不履行を受けたことを公表しており、ダメージの大きさがうかがえます。
巨額を借りた3ACだけでなく、貸した方も倒産に追い込まれました。
今後も経営破綻にいたる企業が現れるかもしれないので、その動向を注視しましょう。