アメリカがイランの重要人物であるカセム・ソレイマニ司令官を殺害したことにより、アメリカとイランの全面戦争が懸念されています。
もし戦争が開戦するのであれば、ビットコインや株、ゴールドなど全ての投資対象に影響が出てくるでしょう。
そこで今回は、戦争がビットコインにもたらす影響についてまとめてみました。
要点
アメリカと原油で有名なイランの対立によって、世界的に原油の価格が暴騰してきています。
その一方で、ビットコインは避難先の資産として注目が集まってきているようです。
イランのミサイル攻撃により、ビットコインは90万円台に
イランの重要人物であるカセム・ソレイマニ司令官が殺害された報復として、イランはイラクにあるアメリカの基地にミサイル攻撃を行いました。
米国防総省によると、イランはイラクのアル・アサド空軍基地とアルビルの2カ所に向けて計十数発のミサイルを発射したようで、本格的にアメリカとイランの対立が見えてくるようになりました。
この影響により、ビットコインに大きな注目が集まってきています。
中でも、イランの住人たちは、米ドルを入手することが非常に困難な状況になってきている為、資産の避難先としてビットコインを選択しているようです。
その結果、イランでは一時的にビットコインの価格が300万円を超えるなど、対立による買い圧は凄まじいものとなりました。
また、世界的に見てもビットコインの価格は高騰しており、1月8日には今年最高値である92万円を記録しました。
戦争が起こると何故ビットコインが高騰するのか
ビットコインが高騰したのは、資産の避難先として選ばれたからという理由もありますが、戦争によるインフレに対するヘッジの手段として選ばれたというのも大きな理由であります。
過去の傾向を見ると、戦争は赤字国債の発行を促し、国内のインフレを起こす大きな要因となります。
今回はアメリカとイランの対立なので、ドルがインフレする可能性を考えると、現金ではなく総発行量が決まっているビットコインに資産を換えた方が賢明ではないかという考えが広まっています。
この考えは、対立が長引けば長引くほど広まっていくことになりますので、このまま対立が続くことによってビットコインが安全資産として認識されるようになり、人々はビットコインを購入することになるかもしれません。
リスク資産説vs安全資産説
先ほどはビットコインは安全資産になると言いましたが、ビットコインはリスク資産だと断言している人もいます。
Messariの創設者であるライアン・セルキス氏は、ビットコインはリスク資産であって、経済が混乱した時に真っ先に投資家が清算する資産の1つであると述べました。
また、セルキス氏は今回のビットコインの上昇をテクニカル的な分析によるものと判断しており、アメリカとイランの対立による影響ではないと指摘しています。
このように、戦争が始まることによってビットコインが安全資産になるという考えと、リスク資産として清算されるという2つの意見に分かれている為、今後も世界の情勢とビットコインの関連を見守っていく必要がありそうです。
まとめ
アメリカとイランの対立によって、ビットコインは今年大きく価格を上昇させました。
そして、今後対立が続くようであれば、ビットコインは安全資産として認識されるようになり、人々から更に注目されるようになってくるでしょう。
しかし、一方でビットコインはリスク資産であるという見方もあるようなので、両国の動きによるビットコインへの影響は随時チェックしていく必要があります。